英文解説教室〜Hinayuiの空き時間〜

色々な記事を書こうと思っています。勉強のこと、本のこと、旅行のことなど書きたいと思ったことをパパっと書きたいと思います。

英文解釈①(基礎英文問題精講を用いて)

今回は、以前の投稿とは異なり英文解釈に焦点を当てたいと思います。文法はある程度理解している高校1年から2年生向けです。

 

No one can cut ourselves off from the body of the community to which we belong. We are indirectly dependent upon the labour of others for all the necessities and comforts of our lives. It should not be possible for us to enjoy them without giving something in return.

 

①まず1文目から行きましょう。"No one can cut ourselves off from the body of the community to which we belong."の骨格を見ていきます。動詞を探すと2つ、"cut"と"belong"があることが分かります。どれが本動詞か見分けるために2つの方法から攻めましょう。

 (1)助動詞がある方が本動詞

 (2)belong は"belong to"で通常用いられているが、今回は"to which"と関係代名詞になっている。

→本文では"cut"が本動詞だとすぐ分かるように

 

素早く文を理解するためには頭から理解するように心掛けてください。(時間をかけて綺麗に訳すときは後ろから)

 

「誰も〜できない。」「切ること」「自分自身を」「組織体から」「社会の」「私達が属している」とすぐ分解できましたでしょうか??

*"cut off〜"はもともと"off"の後ろに目的語を持ってくるべきなのですが、再帰代名詞を目的語とするときは動詞と副詞の間に持ってきます。

続いて"the community to which we belong."という関係代名詞の箇所を見ます。疑問文でない箇所で"who"や"which"が出てきたら90%の確率で関係詞だと思って差し支えありません。今回も例外じゃないですね。関係詞は前述の名詞(先行詞)を詳しく修飾するだけの役割です。"we belong to the community"「我々がその社会に属している」→"the community to which we belong."「我々が属している社会」となっています。

「我々が属している社会という共同体から自分自身を切り離せる人は誰もいない。」

 

②2文目は5/26に投稿した「英文の読み方」を参考にして下さい。

 

③"It should not be possible for us to enjoy them without giving something in return."を見ていきましょう。

 Vになり得るのは(1)be (2) enjoy (3) giving (4)return でしょうかね。(3)〜ingがVとして成り立つのはbe動詞を伴って<進行形>にする必要があります。(4)は前述に前置詞"in"があるのでこの"return"は名詞ということになります。

 

では(1)、(2)のどちらが本動詞でしょうか?ここで注目すべきは"It is 形容詞 for人 to V"という構文です。もう入試英語必須の構文です。

 

"It"を仮主語として、"to V〜"が真主語になっています。ここで実際に「形容詞」の状態にあるのは"for+人"の箇所の人です。「人にとってVすることは形容詞だ。」と訳せれば完璧でしょう。

"It should not be possible for us to enjoy them"で見てみると、実際に「可能でない」状態にいるのは「私達」です。「何をすることが」可能でないとかというと、"to enjoy them"「それらを享受することが」可能でないということになります。

「私達にとってそれを享受することは可能なはずがない」となります。

 

続く"without giving something in return."は「何かお返しすることなしに」という意味で分かりやすいと思います。

 

→「自分が属している社会という共同体から自分自身を切り離せる人は誰もいない。我々は生活に必要なものや快適なものを全て他の人の労働に間接的に依存している。何かしらのお返しをしないで、それらのものを享受できるはずないのである。」という訳になります。